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2025.10.03

無垢材のメリット・デメリット

無垢材のメリット・デメリット

無垢材のメリット・デメリット ― 自然素材の住まいを選ぶ前に知っておきたいこと

スタンドバイホームは、「ウッドエッグプロジェクト」の理念のもと、国産無垢材を使って家をつくります。
森を守り育て、伐採した木を使い、再び植える──
そのサイクルを通じて、自然と人をつなぎ、地域の環境・林業を支える想いを込めています。
無垢材の家は、自然素材としての風合い、調湿性能、時間とともに深まる美しさなど、多くの魅力を備えています。
しかし同時に、伸縮・反り・傷・メンテナンスといった“素材ゆえの特性”も見逃せません。
これらを正しく理解し、受け入れながら選ぶことが、長く愛される住まいをつくる鍵になります。

このコラムでは、無垢材の「メリット」「デメリット」を分かりやすく整理し、選び方の視点や実践的なヒントも交えて解説します。
無垢材の家を検討なさっている方にとって、有用なガイドになれば幸いです。

無垢材のメリット ― 五感が喜ぶ住まいの価値

1. 心地よい住み心地

無垢材の特長のひとつは、肌で感じるやわらかさやぬくもりです。

たとえば、冬の寒い日でも、無垢の床を裸足で歩いたときに「冷たさ」が伝わりにくく、ほんのりとした温かさを感じる経験をされたことがある方もいるでしょう。

これは、無垢材が適度な断熱性・保温性を持っているからです。

また、夏の湿度が高い季節には余分な湿気を吸ってくれ、さらっとした感触を保つことができます。

人工素材では感じづらい、素材そのものの“呼吸感”が無垢材にはあります。

 

こうした心地よさは、言葉で説明するよりも、実際に体感してこそ理解できるという性質を持っています。

だからこそ、モデルハウスでの体験が大切です。

 

2. 快適な空気環境(調湿性能と空気質)

木材は、乾燥期には保有している水分を放出し、多湿期には水分を吸収する性質があります。

この「調湿性能」が、無垢材住宅を快適な空気環境にする基盤です。

梅雨や夏場の多湿期には室内の湿度を穏やかに抑え、冬の乾燥期には潤いを保つことで、カビや結露の発生を抑制する助けになります。

これにより、壁・窓まわりの結露ダメージや建材の腐食リスクを軽減できることもあります。

 

さらに、無垢材は化学的添加物を抑えた素材であるため、揮発性有機化合物(VOC)などを出しにくく、室内空気質に配慮できるケースがある点も見逃せません。

シックハウスを気にされる方、小さなお子さまがいらっしゃる家庭には安心感をもたらす素材選択となり得ます。

 

3. 経年美化 ― 年月とともに味わい深くなる

無垢材の最も魅力的な性質のひとつが、「経年美化」です。使い込むほどに艶が増し、木目が豊かになるなど、木材の表情が変化していきます。

これは光の加減、紫外線、触れ合い、水・空気との関係性が積み重なった結果です。

 

また、生活の中でつく小さな傷や色むらも、無垢材ならではの“味”として受け止められることがあります。

家族と暮らしの歴史が、素材とともに刻まれていく感覚は、機械的・画一的な建材(合板・化粧板など)にはない魅力です。

 

4. 自然素材としての安心感

無垢材を選ぶということは、素材そのものへの信頼を選ぶということでもあります。

合板や接着剤を多用した建材と比べ、化学添加物の少ない無垢材は、健康面・安全面でのメリットを持つ可能性があります。

揮発性化学物質のリスクを抑えたい、長く安心して暮らせる家を求めたい、というニーズに対して、無垢材は有力な選択肢となります。

無垢材のデメリット ― 知っておきたい素材の性質

1. 伸縮・反り・収縮のリスク

無垢材は水分を吸放出する性質を持つため、温度・湿度の変化に応じて伸びたり縮んだり、あるいは反ったりする可能性があります。

特に、湿度が低い季節や極端な乾燥状態では、木材同士の間に“隙間”が生じたり、反りが発生したりすることがあります。

 

こうした変動を完全に抑えることは難しいため、設計段階で木材の動きを見込んだ収まりや目地設計を行うことが大切です。

 

2. 傷・汚れがつきやすい性質

無垢材は、樹種・年輪・方向性などにより硬さ・耐久性に差があります。

ゆえに、重い家具の移動・ペットの爪・子どもの遊び道具・引っかき傷・こぼし汚れなどに対して、傷や凹み・色ムラが発生しやすい面があります。

また、水や飲料をこぼした際、染み込みやすい樹種もあるため、シミになるリスクもあります。

 

3. 定期的なメンテナンスの必要性

無垢材の良さを保つためには、定期的な再塗装・オイルケア・保湿処理などのメンテナンスが不可欠です。

これを怠ると、乾燥による割れ、色あせ、表面の白化、反りの顕在化が進んでしまうことがあります。

また、直射日光や過度な紫外線、湿度変化の激しい環境条件も、無垢材にとってストレス要因になります。

そのため、日差し対策・湿度管理・カーテン・庇・日除けなどの工夫も重要です。

 

4. 仕入れ・施工上の手間

良質な無垢材を安定して確保するには、産地・乾燥管理・品質検査などの仕入れルートが整備されていることが不可欠です。

また、施工現場においても、木材の伸縮・反りを見越した施工スキルや知見・手間が必要となります。

そのため、熟練の技術力・施工管理体制が確立されていることも大事なポイントです。

メリット・デメリットの向き合い方 ― より良い選択をするために

無垢材の“デメリット”はむしろ、自然素材であるがゆえの“証し”ともいえます。

伸縮・傷・変化は、無垢材が本物であり、生きた素材であることを示すサインです。

重要なのは、それらを「避けるもの」として捉えるか、「付き合っていくもの」として捉えるかです。

例えば:

  • 設計段階で目地・納まりを工夫し、木材の伸縮に余裕を持たせる

  • 日常の暮らしの中で、家具や什器の配置・取扱いを配慮する

  • 定期メンテナンスを前提に仕様を選び、メンテナンス性を重視する

  • 室内環境(湿度・温度)を一定範囲に保つ工夫を設備面で取り入れる

 

こうした配慮を前もって取り入れることで、無垢材の良さを最大限に引き出しつつ、ネガティブな側面を抑えた住まいをつくることができます。

 

無垢材とともに暮らし、時間とともにその変化を楽しむ意識を持つことで、「家を育てる」ような感覚が生まれます。

その過程を受け入れ、共に時を刻む家こそ、唯一無二の住まいになるでしょう。

モデルハウスで体感 ― 魅力と“リアル”を確かめる場

無垢材の良さやクセは、文章だけでは十分に伝わりません。

実際に触れて感じることで、その素材感・変化・空気感が初めて理解できます。

 

スタンドバイホームのモデルハウスでは、無垢材を床・壁・造作家具などさまざまな部位で採用しています。

裸足で歩いたときの足裏感覚、木目の個性、季節による伸縮の有無、陰影の変化など、五感で確かめられる設計になっています。

 

無垢材住宅を検討する際には、まさに“良い面”だけを感じ取るのではなく、“素材の現実的な表情”にも触れてほしいと願っています。

どうぞお時間を調整して、モデルハウスにぜひお越しください。

素材の変化を感じ取りながら、無垢材の家の魅力と可能性をじっくり味わっていただければと思います。

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